方針

ABAサービスプリエールでは応用行動分析学(ABA:Applied Behavior Analysis)に基づいた療育を、専門的知識を持ったセラピストが行います

応用行動分析学(以下ABA) とは

ABAでは、なぜその行動をするのか(しないのか)を環境との相互作用に求めます。目標(例えばコミュニケーションスキルの獲得)を達成するために、どんな環境(例えば声のかけ方などの指導方法)にすればいいのかを考える学問です。

ここからはABAの基礎や、ABAセラピーについて簡単に説明しますが、実際プリエールではどんなセラピーをしているのかについてはこちら(準備中)をご覧ください。

応用行動分析学では行動の前後(環境)をよく観察します。
行動の前に起こる出来事を先行刺激(弁別刺激)と言い、これは行動が起こるきっかけになるものです。
行動の後に起こる出来事を結果と言い、これは行動の出現に影響を与えるものです。
結果が良ければ(良いことがある、嫌なことがなくなる)、行動は増えます強化
結果が悪ければ(嫌なことがある、良いことがなくなる)、行動は減ります=弱化
また、行動の前と後で変化がなければ、行動は減ります=消去

応用行動分析学を使ったセラピーで出来ること

①できることを増やす
   ―環境を理解することで、できることを増やす
   ―使える行動、役に立つ行動を増やす
   ―新しいスキルを獲得する

②問題行動を減らす


【環境を理解することでできることを増やす】

「この間はできたのに」と、子どもの気分次第でできる行動はありませんか。
できないと思っていても時々できる行動はありませんか。
子どもはできるスキルを持っていても、行動が起こりやすい環境が整っていないとそのスキルを発揮できない場合があります。

アセスメント(行動観察や聞き取り)

行動がどんな場面・状況やきっかけで起こりやすいのかを把握します。
行動の後に、子どもにとってどんな結果が起こっているのかを把握します。

セラピー

行動が起こりやすい状況やきっかけを工夫し行動をすることで子どもにとって良い結果が起こるというような流れを作ります。まずは、一つの場面から取り組み、段階的に出来る場面を広げていくことを目的に取り組みます。

使える行動、生活に役に立つ行動を増やす】

ことばは話せなくても、要求ができる。お金の計算はできなくても、お買い物ができる。
このように、出来ないことがあっても『今使える、今役に立つ』を目指します。
要求する方法、お買いものができる方法は一つではありません。子どもにとって必要なこと、子どもがやりたいことをできるようになるための工夫を考えます。

アセスメント(行動観察や聞き取り)

子どもにとって必要な(希望する)行動は何かを把握します。
その行動を行うためのスキルの中で、できている行動、もう少しで出来そうな行動、代わりになるスキルを把握します

セラピ

今できているスキルや代わりになるスキルを使って、行動ができる様に工夫します。
例えは、要求をする際、絵カードの選択ができるのであれば、絵カードを使って要求することを教えます。お買い物をする際、プリぺードカードを使って支払いをしたり、支払いの時はお店の人にお金を取ってもらうことでお買い物ができる様にします。
工夫をしてできる行動を増やしながら、新たなスキルが獲得されたら、そのスキルを使ってできる様に発展させていきます。

【新しいスキルを獲得する】

子どもができるスキルも伸ばしていきます。
身辺自立(トイレの習慣、衣服の着脱、箸やスプーンの使い方など)、ことばや会話、概念(色、数、文字、カテゴリーなど)、遊び、社会性、社会のルールなど

アセスメント (行動観察や聞き取り)

新しく教えるスキルは無限にあります。
その中で、子どもにとって今必要な(日常生活で使える)行動を把握し、セラピーを行う優先順位を決めます。
また、子どもが無理なく取り組めそうな課題を検討します。
それぞれのスキルを細分化し、どこができていて、どこを教える必要があるのかを把握します。

セラピー

アセスメントの結果に基づき、課題を設定して取り組みます。
いろいろなプロンプト(援助方法)を用いながら、教えていきます。
教え方は、一つではありません。それぞれのお子さんに合わせて、上手くいく方法を探しながら、取り組んでいきます。そして、セラピーで出来る様になったら、日常生活でもできる工夫を考えていきます。

【問題行動を減らす】

周囲にとって、やめてほしい行動もあると思います。そのような行動に対して、対応方法を考えます。

アセスメント (行動観察や聞き取り)

問題行動がどんな場面・状況やきっかけで起こりやすいのかを把握します。
問題行動の後に、子どもにとってどんな結果が起こっているのか行動の理由を把握します。
問題行動の代わりとなる適切な行動を獲得しているのかを把握します。

セラピー

アセスメントの結果に基づき、適切な行動を教えながら、問題行動が起こりにくい環境を整えていきます。一貫した対応を行うことを続けます。


子どものを取り巻く環境は、いろいろ。
お子さんやご家庭のスタイル(希望)に合わせて、どのようなセラピーを行うかを考え、オリジナルのプログラムを作っていきます。

ABAサービス プリエールが目指すセラピー

セラピ-で取り組んだことが、日常生活で活かされることを目指しています。
そのためには、毎日多くの時間を過ごされるご家族にも関わって頂くことが大切です。

大切なのは続けること!
セラピーは取り組んだらすぐに効果がでることもありますが、それを維持していくためには、一貫した関わりを続けていくことが大切です。

無理なく楽しく!
続けていくためには、無理なく楽しくが大切です。
ご家族が続けやすいような方法を一緒に考えていきましょう。そして、関わりの中に嬉しいこと楽しいことを見つけていきましょう。
セラピストと同じ様なセラピーがしたい、日常生活で出来る範囲で取り組みたいなど、ご希望は様々です。
それぞれのご家庭にあった方法を提案していきます。

子どもにとっても、無理なく楽しく!
子どもも、大変なことを続けていくのはつらいです。続けていくためには、楽しんで続けられる工夫をすることが大切です。そのためには、楽しい活動を探すこと、ほめて伸ばすことがとても重要です。
また、スモールステップで少しがんばればできることから取り組み、少しずつできることを増やすことを目指します。

上手くいく関わりを広げる
セラピーで取り組んで上手く行ったら、お母さんと、お父さんと。そして、おじいちゃん、おばあちゃん、園や学校へと上手くいく関わりを広げていくことで、子どもができる範囲が広がっていくことを目指しています。練習した場だけでなく、いろいろな人といろいろな場面で使えることが大切です。

のために、ABAサービスプリエールでは、ご希望があれば、園や学校の先生、習い事先などに上手く行った方法をお伝えする取り組みもしています。

 

応用行動分析学(ABA)は、発達障害を持つお子さんにとってとても有効な技法であり、研究によって効果が明らかになっています。